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っぽい第五弾_三面ボス_REDMOON_SS の変更点


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■[[僕○第23回]]
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Stage3 揺らめく赤い影
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夕焼けが染まる小川を越えた先には、整地の成されていない獣道が続いていた。
「祭囃子も近づいてきたわね。この奥が本命かしら?」
「みたいだな。ここまで来るのに随分と手間を取ったが、ここから一気に行くぜ」
 アリスの言葉に魔理沙が頷く。そして、獣道のそこ彼処から出てくる妖精を蹴散らしながら一気に進んでいく。
 しばらく獣道を進んでいくと道が開け、前方に参道の姿を見つけた。
「ふぅん? これはいよいよ本命みたいね」
「こっちでも祭りをやってるなら、覗くのもありかも知れないな」
「いいから早く行くわよ。こんなところに長居するつもりはないんだから」
「よしっ! じゃあ、さっさと解決してタダ酒だぜ」
 二人は装飾準備中の参道に向かう。妖精達は驚いて迎撃をするものの、圧倒的な火力差によって次々と駆逐されていく。また、魔理沙の項火力の弾幕によって、周囲の提灯やらなんやらも根こそぎ吹き飛ばされる。
「全力全快で気分爽快だぜっ!」
「さて、魔理沙がここまでやればいい加減向こう側から何か来るでしょう」
「貴様等何をしている!!」
 魔理沙の暴挙を黙って見ていたアリスの独り言に答えるかのように、前方から一喝が飛んできた。
 周りの妖精が「標様が来た!」とか、「助けてください標様!!」やら言っていることから、前方に立つ星や月、太陽を模した柄のワンピースを着ている標と呼ばれるこの女性がここのリーダーなのだろう。
「魔理沙。釣れたわよ」
「ようやく本命か。随分と待ちくたびれたぜ」
「私をここに呼ぶ為だけにこれだけの被害を出したというのか? 貴様等は!!」
 標は二人の言葉を聞き、柳眉を逆立てた。ポケットから数本の苦無を取り出し、二人に向かって投擲する。
「おおっと、随分と頭にきているようだな」
「みたいね。出来る限りはしたくないけれど、いざとなったら周囲のものを攻撃すれば相手が自分から受けに来そうね」
「とりあえず私が前衛を切るぜ。アリスは周りと後ろを頼む」
「了解よ。いくわよ皆、出番よ」
 魔理沙が箒にまたがり突っ込むと同時に、アリスは人形を展開する。それに対し、標は周囲の妖精を統率し、的確な指示を送る事により、殆ど力の持たない妖精を用いて、高規模な弾幕を創り上げた。
「行くぞ皆の者。私たちの仕事を邪魔する者共に制裁を」
 標の言葉に周囲の妖精達は口々に「万歳妃殿下(イエスユア・ハイネス)」と叫ぶ。その言葉が自らを鼓舞しているのかはわからないが、妖精達は、その言葉を叫ぶ度に弾幕の威力を強化していった。
「ちょっと待て! おいアリス! こいつら妖精とは思えないほどの火力を使って来てるぞ!?」
「そうね。何か裏がありそうね。少し調べてみるから、適当に時間を稼いで。数体人形を付けるわ」
「了解だぜ!」
 4体の人形を連れて魔理沙は突貫する。その様子を見ながらアリスは現状の把握に取り掛かる。
(確かに、現状の妖精の火力は通常の妖精の力を考えるとありえないほどの火力を誇っているのを感じる。しかし、ここにいる妖精が、元からそこまでの力を有しているのならば、リーダーが来る前から抵抗があってもおかしくないはず。
 即ち、この強化には――)
と、そこまで思考したところで、被弾した魔理沙が近くに落ちた。
「ちくしょう。妖精に落とされるとは屈辱だぜ」
「ふんっ。所詮貴様等などこの程度と言うことだ。全てはあの方の野望の為に! オールハイル――。っと、あの方の名をみだりに口にするわけにもいかんな」
「魔理沙? 私が思考している間に何が起こったのよ? 向こうのテンションが上がりすぎで何言ってるのかわからないわよ」
「途中からあんな感じだったぜ? それよりも何かわかったか?」
 魔理沙の言葉にアリスは「う〜ん」と呟く少し悩む。そして、少し間を置いたのちに語る。
「わかったのは、向こうのリーダーによって強化されているということぐらいね。恐らく、統括系の能力。周りの数を減らすか、本体を落とすか、どっちかに絞る必要があるわね」
「だったら決まりだ。両方一気に吹き飛ばす! この一撃でなっ!! 恋符『マスタースパーク』!!」
 八卦炉から強大な魔力の奔流が迸る。標は一瞬驚いて動きが止まったが、すぐにスペルカードを取り出す。
「高威力砲かっ! ならば、それ毎吹き飛ばしてくれるっ!! 『万国旗ボンバー』!!」
 標は、周囲に弾幕を放つ。直後に、自身の放った弾幕を自らに取り込み凝縮し、最大火力の直砲を放つ。
 二つの高威力砲は互いにぶつかりあり、せめぎ合い、拮抗状態を生み出す。
「くぅ! まさかこれほどまでの威力とは!!」
「私の魔砲とせめぎ合うとは驚きだがっ! これで終わりだっ!!」
 魔理沙がさらに力を込める。それにより、拮抗状態は崩れ、標は魔砲に呑みこまれる。
「ぐぁああああ!!!!」
 魔砲の奔流が駆け抜けた後、そこには標の姿はなかった。
「どうやら逃げられたようね」
「だが、この奥に行けばいいだろ? だったら行くだけだ」
「そうね」
 二人は気を取り直して参道を進んでいく。進めば進むほどに増えていく提灯の数にアリスはふと疑問を口にする。
「ねぇ魔理沙? 私はあまりこういった祭りについては知らないから聞くけど、……提灯ってこんなにもいっぱいあるものなの?」
「いや、私の記憶でもこんなにもなかったと思うぜ」
 すでに、二人が進む参道には、数え切れないほどの提灯が密集するように釣られていた。それはある意味とても異様な光景だった。
「何か出て来そうな雰囲気ね」
「確かにそんな雰囲気が出てるな」
「ばぁ」
 後ろから聞こえた声に二人が振り返ると、そこには1メートル超過の提灯が空を浮いていた。思わず一歩引くと、提灯が引いた分の距離を詰める。
「ばぁ」
 突如、提灯の中ほどが裂け、そこから少女が這い出てきた。あまりに突然のことだったため、二人とも驚き、驚きのまま一斉攻撃をした。
「魔符『アーティフルサクリファイス』!」
「恋符『ノンディレクショナルレーザー』!」
「へっ? きゃあぁーーーー!!!!」
 無指向性のレーザーと炸裂呪式を込めた人形がお化け提灯に直撃し爆炎を上げる。もうもうと上がる土ぼこりと煙を見て、ようやく二人とも正気に戻る。
「何だったんだ今のは?」
「恐らくはお化け提灯の類だとは思うけれど……、文献で読んだ時は何でそんなのを恐れるのかと思ったけれど、納得ね。いきなり現れるとあんなにも驚かされるものなのね」
「まったくだぜ」
「まぁ、流石に今ので倒したでしょう。いきなりスペカ二枚を不意打ちで受ければ耐えれれないでしょう」
「勝手に殺さないで〜」
「「!?」」
 アリスの予想に反し、煙が晴れたそこには、まだ提灯が残っていた。提灯の中の少女は、いきなり攻撃を仕掛けられたにもかかわらず怒った様子もなく語りかける。
「ここはまだ準備中なので、もう少しだけ待っててくれませんか〜? 夜には出店の準備も整うと思うので是非その時に〜」
「なぁアリス?」
「ちなみに、祭りが始まるまで待とうってことなら断るわよ。長居する気はないって言ったじゃない」
 アリスの言葉に提灯少女は落胆する。だが、すぐに気を取り直し、
「じゃあ、仕方がありません〜。力づくでも追い返しますよ〜。鬼火『小衛門火』」
 周囲に釣ってあった大量の提灯が、まるで意思を持ったかのようにゆらゆらと揺らめきながら襲い掛かってくる。
「ん? スペカでこの程度か? これだったら、さっきの奴のほうがよっぽど強かったぜ!」
 魔理沙はマジックミサイルで前方の提灯をまとめて吹き飛ばす。吹き飛ばされた提灯は見る見るうちに燃え上がり、複数の火の玉となって再度襲い掛かる。
「なっ!? 落とすと増えるのか!? これは少し厄介だな」
「迎撃しなければ、威力のない弾幕。されど、攻撃すれば数を増す。変わったスペルね。……でも――」
 アリスは魔理沙のもとまで移動する。そして、魔理沙に目配せしてからいう。
「全てを吹き飛ばせば問題はないわね。魔理沙! 複合スペルいくわよ!」
「おっ! アレをやるのか!」
「術式同調開始(スペルリンクオープン)。術式をそっちに送るわ」
「よし来たぜ! 恋符『レインボースパーク』!!」
 七色の魔力を孕んだ魔力砲が、眼前を阻むものをディスペルしながら突き進み、提灯の群れを蹴散らし、提灯娘を撃ち抜いた。
「きゅ〜。やられました〜」
「さて、祭りを楽しむとするか」
「それよりも異変解決が先よ」
 それぞれの意見を言いながら、二人は参道の奥へと進むのだった。
go to next stage.
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