ラジオショックのまとめ
っぽい第八弾_ラスボス_天神楽_SS2 をテンプレートにして作成
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* SS本文 [#ob4dfe45]
■[[僕○第26回]]
----
斎鵬 祭華side
~
「祭華さん。朝ですよ!早く起きてくださいな」
幻想郷の忘れ去られていた神社、四界神社の朝は遅かった。だ...
でも今は違う。この神社に華夏が巫女の代理として勤めてから...
「う〜ん、華夏ちゃん。あともう少し〜」
「そんなことを言ってはだめです!そんなことでは皆祭華さん...
「……華夏ちゃんも忘れちゃう?」
「忘れちゃうかもしれませんよ?」
それは嫌だ。華夏ちゃんは私にとってとっても大切な子なんだ...
「うぅ、じゃあ起きるよ〜」
「はいはい、早く起きてくださいね?今日の朝御飯は豪華です...
そう言って華夏ちゃんは部屋から出ていくけどその去り際に
「私が祭華さんを忘れるだなんて、そんなはずないじゃないで...
と呟いてくれていたのを私は聞き逃さない。うん、やっぱり華...
~
今日の朝御飯は玄米の御握りに美味しそうな川魚、そして華夏...
「ねぇねぇ、華夏ちゃん。」
「はい、なんですか?」
というわけで尋ねてみる。アレだよアレがないんだよ!
「お味噌汁はないのかな?」
「今日のお味噌汁は夜御飯の時のお楽しみです。代わりにお魚...
「ふ〜ん、まぁいいかな」
お味噌汁がないのがちょっと寂しいけどお魚も好きだから別に...
「じゃあいただきま〜す」
「はい、いただきます」
華夏ちゃんがここに住み着いてから毎朝こうやって二人で食事...
でも……
「ねぇ、華夏ちゃん……」
「祭華さん、お食事中のお喋りはメッですよ」
「……は〜い」
ちょっとお行儀が良過ぎるのはどうなんだろう。
「はいは伸ばさない!」
「……はい」
うんちょっと厳しすぎるかな。
~
華夏ちゃんは朝食が終わったらすぐに巫女の仕事を始める。大...
「今日も人里のほうに出かけるんだよね?」
「はい、週に一度は顔を出しておかないといけませんし」
今までは午後には仕事を終わらせて一緒に遊んでいたけれどあ...
「今日も夕方頃には帰れる予定ですからいつものように待って...
「う〜、だって私なんかのために華夏ちゃんが無理をしてるな...
そういう私の頭に華夏ちゃんが手を載せてくる。あっ、あった...
「祭華さん、自分のことを悪く言っちゃだめです。私は祭華さ...
「うっ……」
「祭華さんにとって私はつまらない人のために働く滑稽な人で...
華夏ちゃんはずるい。そんなことを言われたら私はもう何も言...
「そんなこと……ない」
「じゃあ、この話はもうなしです」
と、華夏ちゃんがちょっと拗ねたような顔で
「それにですね祭華さん。他の人のために働く人はその人にお...
なんて言うものだからちょっと意地悪をして
「じゃあ今日もお勤め頑張ってね」
と言ってみたら少し不満げな顔で
「はい、頑張ってきます」
と返してくれた。
うん、華夏ちゃんは本当に可愛い子だ。
~
華夏ちゃんが出かけるのを見送ってから私は裏手の倉庫に向かう
「さてと、じゃあ、こっちも準備をするかな」
華夏ちゃんが出かけている間は私は主に周辺の森で宝探しをし...
「お弁当〜、お弁当〜、今日のお弁当は梅握り〜」
『ペットボトル』という軽くて割れない瓶に水を溜め、玄米の...
「よし、準備完了!」
あとは適当に見てまわってこの神社の周囲をぐるりと回るだけ...
「さ〜て、今日はどんなお宝が見つかるのかな?」
そう意気込んで私は森の中に足を踏み入れたのだった。
~
「これは……水鉄砲ですね。中に水を入れて引き金を引けば水が...
お野菜が沢山入ったお味噌汁が美味しかった夕食を終わらせた...
「あぁ……でも残念壊れちゃってます」
と水鉄砲をいじっていた華夏ちゃんの手が止まって残念そうな...
「うぅ〜、残念だよ〜」
とまぁ、こんな風に大抵はガラクタばっかり。本当に残念だ。...
「じゃあこれは何かな?」
と期待を込めながら私は次の物を取り出す。それは二本の紐に...
「ズバリ、これは外の世界の首飾りだね!?」
「残念はずれです。これは豆電球という……まぁおもちゃみたい...
むぅ、また外してしまいました。たまにこうやって推理してみ...
「むむぅ……」
と言う声に気がついて華夏ちゃんのほうに向くと何やら考え込...
「もしかしたら光るかもしれませんね。ちょっと待っててくだ...
と言って奥の物置のほうへ駆け足で向かっていく。何だろう?...
「こうやって半分に切った夏みかんに銅板と亜鉛板を刺して、...
何やら夏みかんをいじくりまわしていた華夏ちゃんがこっちを...
「珍しいですね。こういうものは大抵線が切れて使いものにな...
手招きしている華夏ちゃんの手元を覗いてみるとなんと夏みか...
「おぉ、凄い!これって果物を燃料にする灯りだったんだね!」
すると華夏ちゃんはクスリと笑う。あ、また間違えたのか。
「いえ、これは電気というものをを燃料にする灯りなんです。...
「へぇ〜。だからおもちゃみたいなものなのか〜」
電気かぁ〜。詳しく話を聞いてみると電気というものは雷を使...
~
華夏ちゃんが来て以来四界神社の夜は早い。月が天頂に上がる...
まぁ、かくいう私は寝付けないからこうやって神社の屋根の上...
最近考えるのは華夏ちゃんのことばかりだ。あんな何でもこな...
結局私は華夏ちゃんのことをほとんど知らないんだ。まぁ私も...
だったら今の華夏ちゃんは逃げているだけ?結局はその結論に...
~
「祭華さ〜ん朝ですよ〜。早く起きてくださいな〜」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
寝てるけどね〜
「あれ、珍しいですね。いつもはまだ布団にこもっているのに」
四界神社は今日も朝が早い。でも日が昇る前に起こされるのは...
「って、祭華さんぐっすり寝てるじゃないですか!」
あぁ確認しにきてた。だからもう少し寝かせてくれてもいいの...
「ん〜、もう起きてるよ〜」
「だったら布団からでて顔を洗ってください!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
あ、間違えた。
「はぁ、まったくこの人は……」
とため息をついた華夏ちゃんのよく響く紙鉄砲でたたき起こさ...
「まったく、祭華さんは。もう少し正しい生活を心がけてくだ...
「でも……」
「でもじゃありません。祭華さんはこの四界神社の顔なんです...
普通は日が昇る前に起きたりしないし、第一神社の顔は巫女だ...
「はい、わかりました」
「わかったのならよろしい。では朝御飯の準備をしておきます...
といって楽しそうな顔で部屋から出ていく華夏ちゃんを見てい...
「ねぇ、華夏ちゃん」
「はい、なんですか祭華さん?」
私は華夏ちゃんと一緒にいるのが嬉しいんだと。
「華夏ちゃんが頑張ってくれて私、本当に感謝してるんだよ。...
「え、あの……ちょっと……」
華夏ちゃんの顔がみるみる赤くなっていく。
「だからね、本当にありがと!」
「は、はひぃ!!」
真っ赤になりながらあわてて部屋から出ていく華夏ちゃんは本...
「うぅ……、はずかしい……」
と外に出た華夏ちゃんの呟き声を聞くとなんだか嬉しい気分に...
~
~
~
四界道 華夏side
~
「祭華さん。朝ですよ!早く起きてくださいな」
私がこの幻想郷の四界神社にお世話になってからしばらく経つ...
「う〜ん、華夏ちゃん。あともう少し〜」
と言いながら布団に籠る姿は本当に子供みたい。まぁ姿はまさ...
「そんなことを言ってはだめです!そんなことでは皆祭華さん...
といえば悲しそうな声で
「……華夏ちゃんも忘れちゃう?」
なんて言うものだからつい意地悪を言ってしまう。
「忘れちゃうかもしれませんよ?」
「うぅ、じゃあ起きるよ〜」
「はいはい、早く起きてくださいね?今日の朝御飯は豪華です...
これが四界神社の朝の光景。布団から這い出た祭華さんの姿を...
「私が祭華さんを忘れるだなんて、そんなはずないじゃないで...
とつい呟いちゃったけれど祭華さんに聞こえちゃったかしら。
~
今日の朝御飯は玄米の御握りに美味しそうな川魚、あとは人里...
「ねぇねぇ、華夏ちゃん。」
「はい、なんですか?」
祭華さんがなにか足りなそうな顔で尋ねてくる。あ、あれのこ...
「お味噌汁はないのかな?」
あぁやっぱり。祭華さんは好物のお味噌汁がないから不満なん...
「今日のお味噌汁は夜御飯の時のお楽しみです。代わりにお魚...
普段は出さない川魚で我慢してもらおう。
「ふ〜ん、まぁいいかな」
うん、祭華さんも納得してもらえたようだしそろそろ食事にし...
「じゃあいただきま〜す」
「はい、いただきます」
こういう食卓での祭華さんの表情は明るい。
いままで祭華さんは一人で果物を食べて過ごしていたらしい。...
「ねぇ、華夏ちゃん……」
「祭華さん、お食事中のお喋りはメッですよ」
「……は〜い」
これはちょっとお行儀が悪いんじゃないかな。
「はいは伸ばさない!」
「……はい」
ちょっと厳格にしつけないとね。なんて教育ママみたいについ...
~
朝食が終わったら後片付けをして、それから巫女の仕事を始め...
「今日も人里のほうに出かけるんだよね?」
と屋根の上で手持無沙汰にしていた祭華さんが話しかけてくる...
「はい、週に一度は顔を出しておかないといけませんし」
先日起こした異変『界夏祭』。これによって四界神社の名は幻...
「今日も夕方頃には帰れる予定ですからいつものように待って...
「う〜、だって私なんかのために華夏ちゃんが無理をしてるな...
まったくこの人は、自分が私にとっての重しになっていると思...
だから子供をあやすように右手を祭華さんの頭に乗せ、諭すよ...
「祭華さん、自分のことを悪く言っちゃだめです。私は祭華さ...
「うっ……」
「祭華さんにとって私はつまらない人のために働く滑稽な人で...
これは本心。自分にとってどうでもいい人だったら私はここま...
「そんなこと……ない」
「じゃあ、この話はもうなしです」
でも、たまには褒めてもらいたい時もあるかな。だから
「それにですね祭華さん。他の人のために働く人はその人にお...
なんて言ってしまう。でも祭華さんは意地悪だから
「じゃあ今日もお勤め頑張ってね」
としか返してくれないので不満が出てしまう。でも頑張ってな...
「はい、頑張ってきます」
とちょっと不満げに返せば祭華さんは嬉しそうな笑みを返して...
うん、やっぱり祭華さんは素敵な人だ。
~
「ふぅ、これで終わりかな」
つい先日人里に新しく造った分社の祠にはあいにくだがまだ賽...
「さて、そろそろ帰らないと夕食の支度に遅れちゃう」
西を見ればもう日が傾きかけている。今から帰れば十分間に合...
「祭華さんのためにいいお味噌を買わないとね」
そう呟きながら市場のほうへ足を向ける。ここの市場は妖怪相...
「お、うんたら神社の巫女さんじゃねえか!いい夏みかんがあ...
と向こうから話しかけてくれる。あ、やっぱり忘れてるな。
「あ、夏みかんですか。いいですね、二つ頂けますか?あとウ...
と細かいフォローを入れておく。こういう細かい積み重ねが何...
「毎度あり!っとそうだったな。すまんねぇ、詫び代わりに一...
「あら、ありがとうございます」
と受け取った夏みかんをかごに入れてもう少し市場を見て回る...
~
さて、夕食が終ったあとは普段は各々自由に過ごすけれど、こ...
「これは……水鉄砲ですね。中に水を入れて引き金を引けば水が...
それは祭華さんが神社の近くで集めたという外の道具を見せ、...
「あぁ……でも残念壊れちゃってます」
水鉄砲に水を入れて引き金を引いてみても水が出てこない。こ...
「うぅ〜、残念だよ〜」
とせっかく見つけた物が壊れているときは祭華さんは本当に残...
「じゃあこれは何かな?」
と祭華さんが見せたのは豆電球。あ、懐かしいなぁ……。
「ズバリ、これは外の世界の首飾りだね!?」
と、祭華さんが問いかけてくる。こういう表現が本当に子供ら...
「残念はずれです。これは豆電球という……まぁおもちゃみたい...
さて、豆電球か〜。これを光らせたら祭華さん驚くだろうなぁ...
「むむぅ……」
う〜ん他に何か手は……。要は電気があればいいわけで……。っと...
「もしかしたら光るかもしれませんね。ちょっと待っててくだ...
と言って奥の物置のほうへ駆け足で急ぐ。うん、確かにあった...
あとは半分に切った夏みかんを抱えて戻り、祭華さんの前でテ...
「こうやって半分に切った夏みかんに銅板と亜鉛板を刺して、...
手元ではあの豆電球がほのかに光っている。ダメ元でやってみ...
「珍しいですね。こういうものは大抵線が切れて使いものにな...
手まねきをして祭華さんに覗かせる。すると祭華さんは目を大...
「おぉ、凄い!これって果物を燃料にする灯りだったんだね!」
なんて本当に子供みたいなことを言うからついおかしくなって...
「いえ、これは電気というものをを燃料にする灯りなんです。...
「へぇ〜。だからおもちゃみたいなものなのか〜」
そのあとは電気というものがどういうものなのかを祭華さんに...
~
朝が早ければ必然的に夜も早くなる。ここ最近おおよそ九時ぐ...
でもこのところ布団に籠っても祭華さんのことが頭から離れず...
結局私はいままで祭華さんのために働いていた気になっていた...
でも、そうしてしまうのは私が祭華さんに見捨てられたくない...
~
「祭華さ〜ん朝ですよ〜。早く起きてくださいな〜」
四界神社の朝は早い。日が昇る前に祭華さんをさっさと起こす...
「ん〜、もう起きてるよ〜」
「あれ、珍しいですね。いつもはまだ布団にこもっているのに」
といっても油断できない。だってあの人は子供みたいな人だか...
「って、祭華さんぐっすり寝てるじゃないですか!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
それは子供のいいわけですよ、まったく。
「だったら布団からでて顔を洗ってください!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
いや、これは寝ぼけているな。
「はぁ、まったくこの人は……」
とため息をつき、懐から紙鉄砲を取り出し、鳴らす。よく響く...
「まったく、祭華さんは。もう少し正しい生活を心がけてくだ...
「でも……」
また甘えようとする。まったくこの人は……
「でもじゃありません。祭華さんはこの四界神社の顔なんです...
私にとってはですけどね。っと心の中で付け足しておく。
「はい、わかりました」
「わかったのならよろしい。では朝御飯の準備をしておきます...
と部屋から出ようとする私の表情が緩んでいることに気づく。...
「ねぇ、華夏ちゃん」
「はい、なんですか祭華さん?」
それはこの可愛らしい神様と一緒にいるのが……
「華夏ちゃんが頑張ってくれて私、本当に感謝してるんだよ。...
私にとっての幸せなんだ……。って!えぇ!!
「え、あの……ちょっと……」
そんな不意打ちズルイ!!
顔が赤くなるのを感じながら慌てふためいていると
「だからね、本当にありがと!」
なんてとどめの一撃を放つのだから
「は、はひぃ!!」
なんて情けない声を出しながらあわてて部屋から出てしまった。
「うぅ……、はずかしい……」
でも、そんなことがいえるのも一つの幸せだよね?
~
* コメント欄 [#x4f3f64c]
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■[[僕○第26回]]
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斎鵬 祭華side
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「祭華さん。朝ですよ!早く起きてくださいな」
幻想郷の忘れ去られていた神社、四界神社の朝は遅かった。だ...
でも今は違う。この神社に華夏が巫女の代理として勤めてから...
「う〜ん、華夏ちゃん。あともう少し〜」
「そんなことを言ってはだめです!そんなことでは皆祭華さん...
「……華夏ちゃんも忘れちゃう?」
「忘れちゃうかもしれませんよ?」
それは嫌だ。華夏ちゃんは私にとってとっても大切な子なんだ...
「うぅ、じゃあ起きるよ〜」
「はいはい、早く起きてくださいね?今日の朝御飯は豪華です...
そう言って華夏ちゃんは部屋から出ていくけどその去り際に
「私が祭華さんを忘れるだなんて、そんなはずないじゃないで...
と呟いてくれていたのを私は聞き逃さない。うん、やっぱり華...
~
今日の朝御飯は玄米の御握りに美味しそうな川魚、そして華夏...
「ねぇねぇ、華夏ちゃん。」
「はい、なんですか?」
というわけで尋ねてみる。アレだよアレがないんだよ!
「お味噌汁はないのかな?」
「今日のお味噌汁は夜御飯の時のお楽しみです。代わりにお魚...
「ふ〜ん、まぁいいかな」
お味噌汁がないのがちょっと寂しいけどお魚も好きだから別に...
「じゃあいただきま〜す」
「はい、いただきます」
華夏ちゃんがここに住み着いてから毎朝こうやって二人で食事...
でも……
「ねぇ、華夏ちゃん……」
「祭華さん、お食事中のお喋りはメッですよ」
「……は〜い」
ちょっとお行儀が良過ぎるのはどうなんだろう。
「はいは伸ばさない!」
「……はい」
うんちょっと厳しすぎるかな。
~
華夏ちゃんは朝食が終わったらすぐに巫女の仕事を始める。大...
「今日も人里のほうに出かけるんだよね?」
「はい、週に一度は顔を出しておかないといけませんし」
今までは午後には仕事を終わらせて一緒に遊んでいたけれどあ...
「今日も夕方頃には帰れる予定ですからいつものように待って...
「う〜、だって私なんかのために華夏ちゃんが無理をしてるな...
そういう私の頭に華夏ちゃんが手を載せてくる。あっ、あった...
「祭華さん、自分のことを悪く言っちゃだめです。私は祭華さ...
「うっ……」
「祭華さんにとって私はつまらない人のために働く滑稽な人で...
華夏ちゃんはずるい。そんなことを言われたら私はもう何も言...
「そんなこと……ない」
「じゃあ、この話はもうなしです」
と、華夏ちゃんがちょっと拗ねたような顔で
「それにですね祭華さん。他の人のために働く人はその人にお...
なんて言うものだからちょっと意地悪をして
「じゃあ今日もお勤め頑張ってね」
と言ってみたら少し不満げな顔で
「はい、頑張ってきます」
と返してくれた。
うん、華夏ちゃんは本当に可愛い子だ。
~
華夏ちゃんが出かけるのを見送ってから私は裏手の倉庫に向かう
「さてと、じゃあ、こっちも準備をするかな」
華夏ちゃんが出かけている間は私は主に周辺の森で宝探しをし...
「お弁当〜、お弁当〜、今日のお弁当は梅握り〜」
『ペットボトル』という軽くて割れない瓶に水を溜め、玄米の...
「よし、準備完了!」
あとは適当に見てまわってこの神社の周囲をぐるりと回るだけ...
「さ〜て、今日はどんなお宝が見つかるのかな?」
そう意気込んで私は森の中に足を踏み入れたのだった。
~
「これは……水鉄砲ですね。中に水を入れて引き金を引けば水が...
お野菜が沢山入ったお味噌汁が美味しかった夕食を終わらせた...
「あぁ……でも残念壊れちゃってます」
と水鉄砲をいじっていた華夏ちゃんの手が止まって残念そうな...
「うぅ〜、残念だよ〜」
とまぁ、こんな風に大抵はガラクタばっかり。本当に残念だ。...
「じゃあこれは何かな?」
と期待を込めながら私は次の物を取り出す。それは二本の紐に...
「ズバリ、これは外の世界の首飾りだね!?」
「残念はずれです。これは豆電球という……まぁおもちゃみたい...
むぅ、また外してしまいました。たまにこうやって推理してみ...
「むむぅ……」
と言う声に気がついて華夏ちゃんのほうに向くと何やら考え込...
「もしかしたら光るかもしれませんね。ちょっと待っててくだ...
と言って奥の物置のほうへ駆け足で向かっていく。何だろう?...
「こうやって半分に切った夏みかんに銅板と亜鉛板を刺して、...
何やら夏みかんをいじくりまわしていた華夏ちゃんがこっちを...
「珍しいですね。こういうものは大抵線が切れて使いものにな...
手招きしている華夏ちゃんの手元を覗いてみるとなんと夏みか...
「おぉ、凄い!これって果物を燃料にする灯りだったんだね!」
すると華夏ちゃんはクスリと笑う。あ、また間違えたのか。
「いえ、これは電気というものをを燃料にする灯りなんです。...
「へぇ〜。だからおもちゃみたいなものなのか〜」
電気かぁ〜。詳しく話を聞いてみると電気というものは雷を使...
~
華夏ちゃんが来て以来四界神社の夜は早い。月が天頂に上がる...
まぁ、かくいう私は寝付けないからこうやって神社の屋根の上...
最近考えるのは華夏ちゃんのことばかりだ。あんな何でもこな...
結局私は華夏ちゃんのことをほとんど知らないんだ。まぁ私も...
だったら今の華夏ちゃんは逃げているだけ?結局はその結論に...
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「祭華さ〜ん朝ですよ〜。早く起きてくださいな〜」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
寝てるけどね〜
「あれ、珍しいですね。いつもはまだ布団にこもっているのに」
四界神社は今日も朝が早い。でも日が昇る前に起こされるのは...
「って、祭華さんぐっすり寝てるじゃないですか!」
あぁ確認しにきてた。だからもう少し寝かせてくれてもいいの...
「ん〜、もう起きてるよ〜」
「だったら布団からでて顔を洗ってください!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
あ、間違えた。
「はぁ、まったくこの人は……」
とため息をついた華夏ちゃんのよく響く紙鉄砲でたたき起こさ...
「まったく、祭華さんは。もう少し正しい生活を心がけてくだ...
「でも……」
「でもじゃありません。祭華さんはこの四界神社の顔なんです...
普通は日が昇る前に起きたりしないし、第一神社の顔は巫女だ...
「はい、わかりました」
「わかったのならよろしい。では朝御飯の準備をしておきます...
といって楽しそうな顔で部屋から出ていく華夏ちゃんを見てい...
「ねぇ、華夏ちゃん」
「はい、なんですか祭華さん?」
私は華夏ちゃんと一緒にいるのが嬉しいんだと。
「華夏ちゃんが頑張ってくれて私、本当に感謝してるんだよ。...
「え、あの……ちょっと……」
華夏ちゃんの顔がみるみる赤くなっていく。
「だからね、本当にありがと!」
「は、はひぃ!!」
真っ赤になりながらあわてて部屋から出ていく華夏ちゃんは本...
「うぅ……、はずかしい……」
と外に出た華夏ちゃんの呟き声を聞くとなんだか嬉しい気分に...
~
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四界道 華夏side
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「祭華さん。朝ですよ!早く起きてくださいな」
私がこの幻想郷の四界神社にお世話になってからしばらく経つ...
「う〜ん、華夏ちゃん。あともう少し〜」
と言いながら布団に籠る姿は本当に子供みたい。まぁ姿はまさ...
「そんなことを言ってはだめです!そんなことでは皆祭華さん...
といえば悲しそうな声で
「……華夏ちゃんも忘れちゃう?」
なんて言うものだからつい意地悪を言ってしまう。
「忘れちゃうかもしれませんよ?」
「うぅ、じゃあ起きるよ〜」
「はいはい、早く起きてくださいね?今日の朝御飯は豪華です...
これが四界神社の朝の光景。布団から這い出た祭華さんの姿を...
「私が祭華さんを忘れるだなんて、そんなはずないじゃないで...
とつい呟いちゃったけれど祭華さんに聞こえちゃったかしら。
~
今日の朝御飯は玄米の御握りに美味しそうな川魚、あとは人里...
「ねぇねぇ、華夏ちゃん。」
「はい、なんですか?」
祭華さんがなにか足りなそうな顔で尋ねてくる。あ、あれのこ...
「お味噌汁はないのかな?」
あぁやっぱり。祭華さんは好物のお味噌汁がないから不満なん...
「今日のお味噌汁は夜御飯の時のお楽しみです。代わりにお魚...
普段は出さない川魚で我慢してもらおう。
「ふ〜ん、まぁいいかな」
うん、祭華さんも納得してもらえたようだしそろそろ食事にし...
「じゃあいただきま〜す」
「はい、いただきます」
こういう食卓での祭華さんの表情は明るい。
いままで祭華さんは一人で果物を食べて過ごしていたらしい。...
「ねぇ、華夏ちゃん……」
「祭華さん、お食事中のお喋りはメッですよ」
「……は〜い」
これはちょっとお行儀が悪いんじゃないかな。
「はいは伸ばさない!」
「……はい」
ちょっと厳格にしつけないとね。なんて教育ママみたいについ...
~
朝食が終わったら後片付けをして、それから巫女の仕事を始め...
「今日も人里のほうに出かけるんだよね?」
と屋根の上で手持無沙汰にしていた祭華さんが話しかけてくる...
「はい、週に一度は顔を出しておかないといけませんし」
先日起こした異変『界夏祭』。これによって四界神社の名は幻...
「今日も夕方頃には帰れる予定ですからいつものように待って...
「う〜、だって私なんかのために華夏ちゃんが無理をしてるな...
まったくこの人は、自分が私にとっての重しになっていると思...
だから子供をあやすように右手を祭華さんの頭に乗せ、諭すよ...
「祭華さん、自分のことを悪く言っちゃだめです。私は祭華さ...
「うっ……」
「祭華さんにとって私はつまらない人のために働く滑稽な人で...
これは本心。自分にとってどうでもいい人だったら私はここま...
「そんなこと……ない」
「じゃあ、この話はもうなしです」
でも、たまには褒めてもらいたい時もあるかな。だから
「それにですね祭華さん。他の人のために働く人はその人にお...
なんて言ってしまう。でも祭華さんは意地悪だから
「じゃあ今日もお勤め頑張ってね」
としか返してくれないので不満が出てしまう。でも頑張ってな...
「はい、頑張ってきます」
とちょっと不満げに返せば祭華さんは嬉しそうな笑みを返して...
うん、やっぱり祭華さんは素敵な人だ。
~
「ふぅ、これで終わりかな」
つい先日人里に新しく造った分社の祠にはあいにくだがまだ賽...
「さて、そろそろ帰らないと夕食の支度に遅れちゃう」
西を見ればもう日が傾きかけている。今から帰れば十分間に合...
「祭華さんのためにいいお味噌を買わないとね」
そう呟きながら市場のほうへ足を向ける。ここの市場は妖怪相...
「お、うんたら神社の巫女さんじゃねえか!いい夏みかんがあ...
と向こうから話しかけてくれる。あ、やっぱり忘れてるな。
「あ、夏みかんですか。いいですね、二つ頂けますか?あとウ...
と細かいフォローを入れておく。こういう細かい積み重ねが何...
「毎度あり!っとそうだったな。すまんねぇ、詫び代わりに一...
「あら、ありがとうございます」
と受け取った夏みかんをかごに入れてもう少し市場を見て回る...
~
さて、夕食が終ったあとは普段は各々自由に過ごすけれど、こ...
「これは……水鉄砲ですね。中に水を入れて引き金を引けば水が...
それは祭華さんが神社の近くで集めたという外の道具を見せ、...
「あぁ……でも残念壊れちゃってます」
水鉄砲に水を入れて引き金を引いてみても水が出てこない。こ...
「うぅ〜、残念だよ〜」
とせっかく見つけた物が壊れているときは祭華さんは本当に残...
「じゃあこれは何かな?」
と祭華さんが見せたのは豆電球。あ、懐かしいなぁ……。
「ズバリ、これは外の世界の首飾りだね!?」
と、祭華さんが問いかけてくる。こういう表現が本当に子供ら...
「残念はずれです。これは豆電球という……まぁおもちゃみたい...
さて、豆電球か〜。これを光らせたら祭華さん驚くだろうなぁ...
「むむぅ……」
う〜ん他に何か手は……。要は電気があればいいわけで……。っと...
「もしかしたら光るかもしれませんね。ちょっと待っててくだ...
と言って奥の物置のほうへ駆け足で急ぐ。うん、確かにあった...
あとは半分に切った夏みかんを抱えて戻り、祭華さんの前でテ...
「こうやって半分に切った夏みかんに銅板と亜鉛板を刺して、...
手元ではあの豆電球がほのかに光っている。ダメ元でやってみ...
「珍しいですね。こういうものは大抵線が切れて使いものにな...
手まねきをして祭華さんに覗かせる。すると祭華さんは目を大...
「おぉ、凄い!これって果物を燃料にする灯りだったんだね!」
なんて本当に子供みたいなことを言うからついおかしくなって...
「いえ、これは電気というものをを燃料にする灯りなんです。...
「へぇ〜。だからおもちゃみたいなものなのか〜」
そのあとは電気というものがどういうものなのかを祭華さんに...
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朝が早ければ必然的に夜も早くなる。ここ最近おおよそ九時ぐ...
でもこのところ布団に籠っても祭華さんのことが頭から離れず...
結局私はいままで祭華さんのために働いていた気になっていた...
でも、そうしてしまうのは私が祭華さんに見捨てられたくない...
~
「祭華さ〜ん朝ですよ〜。早く起きてくださいな〜」
四界神社の朝は早い。日が昇る前に祭華さんをさっさと起こす...
「ん〜、もう起きてるよ〜」
「あれ、珍しいですね。いつもはまだ布団にこもっているのに」
といっても油断できない。だってあの人は子供みたいな人だか...
「って、祭華さんぐっすり寝てるじゃないですか!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
それは子供のいいわけですよ、まったく。
「だったら布団からでて顔を洗ってください!」
「ん〜、もう起きてるよ〜」
いや、これは寝ぼけているな。
「はぁ、まったくこの人は……」
とため息をつき、懐から紙鉄砲を取り出し、鳴らす。よく響く...
「まったく、祭華さんは。もう少し正しい生活を心がけてくだ...
「でも……」
また甘えようとする。まったくこの人は……
「でもじゃありません。祭華さんはこの四界神社の顔なんです...
私にとってはですけどね。っと心の中で付け足しておく。
「はい、わかりました」
「わかったのならよろしい。では朝御飯の準備をしておきます...
と部屋から出ようとする私の表情が緩んでいることに気づく。...
「ねぇ、華夏ちゃん」
「はい、なんですか祭華さん?」
それはこの可愛らしい神様と一緒にいるのが……
「華夏ちゃんが頑張ってくれて私、本当に感謝してるんだよ。...
私にとっての幸せなんだ……。って!えぇ!!
「え、あの……ちょっと……」
そんな不意打ちズルイ!!
顔が赤くなるのを感じながら慌てふためいていると
「だからね、本当にありがと!」
なんてとどめの一撃を放つのだから
「は、はひぃ!!」
なんて情けない声を出しながらあわてて部屋から出てしまった。
「うぅ……、はずかしい……」
でも、そんなことがいえるのも一つの幸せだよね?
~
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