ラジオショックのまとめ
上草杏莉,上草美月SS をテンプレートにして作成
開始行:
#contents
* SS本文 [#ac71c13e]
わーにんぐわーにんぐ。此処から先は若干グロ注意。ウォーニ...
~
Erinnerung
或いはとある悪人から見た一夜の出来事
~
何故……こんな事になったのだろうか。
途中までは上手くいっていた。いっていたんだよ。あの時まで...
~
~
時刻は丑三つ時。虫の声すら止み、無音の闇が広がる世界。
空には満月が静かに輝き、しかし流れる雲が度々その光を阻ん...
そんな中、男が1人茂みに隠れていた。手に何かを持っていて、...
男は空を見上げ
「いい夜だ……」
そう呟くと口の端を歪め、男は歩き始めた。
男が去った後、そこにまた別の誰かがやって来た。
その誰かは、男が進んだ道を黙って見つめていたが、やがて男...
~
~
始めのうちは順調だったさ。
目星をつけておいた家まで向かい、いつもの様に忍び込んで金...
もし家人が目覚めて邪魔するなら殺す。唯……それだけの筈だっ...
~
~
ガタガタと、小さな音を立てて戸を開ける。月が雲で隠れたの...
起きている訳が無いが、確認のために聞き耳を立てると、すぅ…...
俺は、出来る限り音を立てないように家に侵入した。
邪魔すれば殺すとはいえ、面倒は出来るだけ避けたい。騒げば...
~
~
あぁ、今日はツイてない。久しぶりハズレを引いちまった。た...
そんな事をその時は考えてたんだ。でも――違った。本当にツイ...
~
~
「おじちゃんたち……だれ?」
唐突に背後から声がした。振り向くと、5歳ほどの少女がこちら...
突然の事態に一瞬動揺し、しかし子供なら容易く騙せると思い...
その時、雲が晴れたのか月の光が隙間から射し込み――手に持っ...
~
~
その後は散々だった。ガキが大声で悲鳴を上げやがるから、親...
まぁ、こんな事は極稀にあったからいつも通りに殺す事にした...
~
~
ぐちゅっ
と、刃物が肉を断ち切る音が響く。俺の手に握られた刃物は男...
ずずっ……ずずっ……と刃物を引き抜いていく。完全に引き抜くと...
「ったく、しちめんどくせぇ……」
そう毒づきながら足元に転がる少女の父親を見る。まだ微かに...
その傍で母親が父親の肩を掴んで何か叫んでいる。その隣では...
俺は深いため息をつき、刃物を握りなおす。これ以上騒がれる...
そう思い、俺は刃物を振り上げ、母親の首を切り裂こうと、思...
~
~
本当ならあのガキには何もしないつもりだったんだぜ?俺だっ...
だってのに、あのガキ。自分から飛び込んでくるんだぜ?ギリ...
~
~
「―――――っ!」
背中を切りつけられた痛みから、少女が声にならない悲鳴をあ...
鮮血が辺りに飛び散り、周囲の血の濃度を上げていく。
咄嗟の行動。少女は母親を護ろうと、母親のくび元に抱きつき...
しかし、子供にはその痛みを耐える事など出来るわけも無く、...
「あー……クソったれ。また邪魔しやがって」
悪態をつきながら、俺はまた母親の首に狙いを定める。少女は...
そして俺は、ただひたすらに恐怖に体を震わせている無抵抗な...
~
~
本当ならここで終るはずだったんだがな……。不幸な事ってのは...
殺すのに手間取った事か、ガキに見付かった事か、それともこ...
まったく、何処で間違えたんだか……。あんなのと遭遇するなん...
~
~
突然、壁が破砕音を立てて吹き飛んだ。
驚いて吹き飛んだ壁に目をやると、
“異形の物が立っていた。”
ソレは何も言わず、こっちに向かって歩いてきた。俺は思わず
「な、なんだテメェは!」
と、手に持った刃物を向け、叫んでいた。しかし異形は答えず...
誰かなんてのはとっくに分かっている。この世界でこんな芸当...
そしてそいつ等は多くの場合、人を食らう。
逃げなくては!そう感じた俺は足を動かそうとし、しかしそれ...
ぶつっ ぐちゃ
と嫌な音がした。
瞬間、脳髄を焼くような恐ろしい痛みが全身を駆け巡った。見...
「っ!?ぎっ……がっ、ああああああああああ!!」
噴水の如く血が噴出し、喉からは正常な人間が出せないような...
まだ距離があった筈なのに、どうして!?しかし、激痛はその...
痛みにのた打ち回り、叫び続けていると一瞬、異形と目が合っ...
嫌悪感が心を埋め尽くし、しかし直ぐにそれは恐怖へと変貌し...
「―――――――。」
肉体を痛みに、精神を恐怖に支配された俺に向かって、異形が...
「ぐっ、ぁ……はーっ……はーっ……」
体から血の気が引いていく感覚。だんだんと思考に靄が掛かり...
しかし、意識が深い闇に沈みそうになった途端、異形は俺の両...
そして、先ほどと同じように口に入れ、咀嚼し、嚥下する。
覚醒する意識。更に痛みが加算され、俺は肺の空気を全て吐き...
再び異形が何かを呟く。だが、やはりそれは絶叫に掻き消えて...
途端、異形が俺の頭を鷲づかみにし、上に持ち上げる。
「あ、がっ……っは……ぐっ……」
足が地に着かぬほどに高く持ち上げられ、首だけで体を支える...
すると異形がこちらに顔を近づけてきた。そして
「不味い」
そう一言呟くと、手に力を込めて行く。
「ひっ……」
力が込められる度にミシミシと骨がきしむ音がする。爪が皮膚...
「あ、あ……ああああああああああああああ!!」
ぐしゃり、と骨と肉を砕く音が一瞬聞こえ、俺の意識は完全に...
~
~
一体、どこで間違えたんだかね。まったく。アンタはどう思う?
俺は目の前の女に聞いてみる。
女は何も答えず、ただ船を漕いで行った。
~
* コメント欄 [#db1f3970]
#comment()
終了行:
#contents
* SS本文 [#ac71c13e]
わーにんぐわーにんぐ。此処から先は若干グロ注意。ウォーニ...
~
Erinnerung
或いはとある悪人から見た一夜の出来事
~
何故……こんな事になったのだろうか。
途中までは上手くいっていた。いっていたんだよ。あの時まで...
~
~
時刻は丑三つ時。虫の声すら止み、無音の闇が広がる世界。
空には満月が静かに輝き、しかし流れる雲が度々その光を阻ん...
そんな中、男が1人茂みに隠れていた。手に何かを持っていて、...
男は空を見上げ
「いい夜だ……」
そう呟くと口の端を歪め、男は歩き始めた。
男が去った後、そこにまた別の誰かがやって来た。
その誰かは、男が進んだ道を黙って見つめていたが、やがて男...
~
~
始めのうちは順調だったさ。
目星をつけておいた家まで向かい、いつもの様に忍び込んで金...
もし家人が目覚めて邪魔するなら殺す。唯……それだけの筈だっ...
~
~
ガタガタと、小さな音を立てて戸を開ける。月が雲で隠れたの...
起きている訳が無いが、確認のために聞き耳を立てると、すぅ…...
俺は、出来る限り音を立てないように家に侵入した。
邪魔すれば殺すとはいえ、面倒は出来るだけ避けたい。騒げば...
~
~
あぁ、今日はツイてない。久しぶりハズレを引いちまった。た...
そんな事をその時は考えてたんだ。でも――違った。本当にツイ...
~
~
「おじちゃんたち……だれ?」
唐突に背後から声がした。振り向くと、5歳ほどの少女がこちら...
突然の事態に一瞬動揺し、しかし子供なら容易く騙せると思い...
その時、雲が晴れたのか月の光が隙間から射し込み――手に持っ...
~
~
その後は散々だった。ガキが大声で悲鳴を上げやがるから、親...
まぁ、こんな事は極稀にあったからいつも通りに殺す事にした...
~
~
ぐちゅっ
と、刃物が肉を断ち切る音が響く。俺の手に握られた刃物は男...
ずずっ……ずずっ……と刃物を引き抜いていく。完全に引き抜くと...
「ったく、しちめんどくせぇ……」
そう毒づきながら足元に転がる少女の父親を見る。まだ微かに...
その傍で母親が父親の肩を掴んで何か叫んでいる。その隣では...
俺は深いため息をつき、刃物を握りなおす。これ以上騒がれる...
そう思い、俺は刃物を振り上げ、母親の首を切り裂こうと、思...
~
~
本当ならあのガキには何もしないつもりだったんだぜ?俺だっ...
だってのに、あのガキ。自分から飛び込んでくるんだぜ?ギリ...
~
~
「―――――っ!」
背中を切りつけられた痛みから、少女が声にならない悲鳴をあ...
鮮血が辺りに飛び散り、周囲の血の濃度を上げていく。
咄嗟の行動。少女は母親を護ろうと、母親のくび元に抱きつき...
しかし、子供にはその痛みを耐える事など出来るわけも無く、...
「あー……クソったれ。また邪魔しやがって」
悪態をつきながら、俺はまた母親の首に狙いを定める。少女は...
そして俺は、ただひたすらに恐怖に体を震わせている無抵抗な...
~
~
本当ならここで終るはずだったんだがな……。不幸な事ってのは...
殺すのに手間取った事か、ガキに見付かった事か、それともこ...
まったく、何処で間違えたんだか……。あんなのと遭遇するなん...
~
~
突然、壁が破砕音を立てて吹き飛んだ。
驚いて吹き飛んだ壁に目をやると、
“異形の物が立っていた。”
ソレは何も言わず、こっちに向かって歩いてきた。俺は思わず
「な、なんだテメェは!」
と、手に持った刃物を向け、叫んでいた。しかし異形は答えず...
誰かなんてのはとっくに分かっている。この世界でこんな芸当...
そしてそいつ等は多くの場合、人を食らう。
逃げなくては!そう感じた俺は足を動かそうとし、しかしそれ...
ぶつっ ぐちゃ
と嫌な音がした。
瞬間、脳髄を焼くような恐ろしい痛みが全身を駆け巡った。見...
「っ!?ぎっ……がっ、ああああああああああ!!」
噴水の如く血が噴出し、喉からは正常な人間が出せないような...
まだ距離があった筈なのに、どうして!?しかし、激痛はその...
痛みにのた打ち回り、叫び続けていると一瞬、異形と目が合っ...
嫌悪感が心を埋め尽くし、しかし直ぐにそれは恐怖へと変貌し...
「―――――――。」
肉体を痛みに、精神を恐怖に支配された俺に向かって、異形が...
「ぐっ、ぁ……はーっ……はーっ……」
体から血の気が引いていく感覚。だんだんと思考に靄が掛かり...
しかし、意識が深い闇に沈みそうになった途端、異形は俺の両...
そして、先ほどと同じように口に入れ、咀嚼し、嚥下する。
覚醒する意識。更に痛みが加算され、俺は肺の空気を全て吐き...
再び異形が何かを呟く。だが、やはりそれは絶叫に掻き消えて...
途端、異形が俺の頭を鷲づかみにし、上に持ち上げる。
「あ、がっ……っは……ぐっ……」
足が地に着かぬほどに高く持ち上げられ、首だけで体を支える...
すると異形がこちらに顔を近づけてきた。そして
「不味い」
そう一言呟くと、手に力を込めて行く。
「ひっ……」
力が込められる度にミシミシと骨がきしむ音がする。爪が皮膚...
「あ、あ……ああああああああああああああ!!」
ぐしゃり、と骨と肉を砕く音が一瞬聞こえ、俺の意識は完全に...
~
~
一体、どこで間違えたんだかね。まったく。アンタはどう思う?
俺は目の前の女に聞いてみる。
女は何も答えず、ただ船を漕いで行った。
~
* コメント欄 [#db1f3970]
#comment()
ページ名: