極めて長い「死と創造についての話」のあらすじ
Last-modified: 2010-06-13 (日) 14:58:59 (4850d)
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■僕○第98回
“死と創造について話”(あらすじ)
この話は、オーディンとロキとの対話から始まる。
オーディンが、ロキに自分が見た不思議な夢について話していた。
その夢とは、「巨大な木の上にいる炎に包まれた鳥が、一匹の羽の生えた白い蛇を産み、その蛇がその木を食べつくす」というものであった。
また、この様な夢を見る日がしばらく続いた。
そのため、オーディンは、これは世界に何かが起こることの暗示であると考え、預言の神であるロキにこの夢の事を話す。
しかし、ロキであってもこの夢が何を示しているのかは分からなかった。
そこで、ロキは、ノルンの一人であるウルドにこの夢のことを話した。
未来を見る事ができる彼女ならば、この夢が何を示しているのか分かるだろう考えたからだ。
この夢の内容を聞いたウルドは、何かを悟ったような面持ちで、ただ、「世界の終焉が近付いている」とだけ告げただけであった。
そのため、神々には、この夢がいったい何を示しているのか、まったく分からなかった。
しかし、徐々に、この夢の現実のものとなる。
ある日、オーディンと女巨人(名前不明)との間に不思議な娘が生まれる。その子の肌は極めて白く、また、背中からは奇妙な形の大きな羽が生えていた。
例の夢に出てきた白い蛇とは、まさに彼女のことであった。
彼女は、ディナルメルトと名付けられた。
ディナルメルトは、オーディンの娘の一人であったが、その容姿から、周りの神々はおろか、兄妹たちや父であるオーディンでさえ近付こうとしなかった。
また、神界や各世界における決まりごとや物事に対して疑問を持ち、また、動物や草木に話しかけるなどの“奇行”も目立った。
そのため、周りの神々はディナルメルトのことを“愚か者”と罵った。
ディナルメルトは、自分の特異な容姿のこと、また、自分が周りの神々から“何も知らぬ愚か者”と言われていることを嘆き悲しむ。
すると、策略の神であるローヴェルが、彼女に“ミーミルの泉”の水を飲めばよいとそそのかし、彼女はこの泉の水を飲んでしまう。
ローヴェルは、俗欲の強い神でもあり、自分が主神の座に着くために彼女を利用したのである。
しかし、“ミーミルの泉”の水を飲んだ彼女であったが、父・オーディンの様に英知を授かることは無く、その変わりに左目と全ての知識を失ってしまう。
この事を知ったオーディンは激怒し、ローヴェルは神界から追放され、ディナルメルトはニヴルヘイムに幽閉されてしまう。
その後、彼女の失った左目に異変が起こる。左目に大きな穴が開き、見たもの全てについての知識を吸収するようになってしまう。
このことは、余程の苦痛だったのか、彼女は、自ら針と糸でもって左目を塞いでしまう。(そのため、彼女は顔の左半分を髪で隠している)
彼女の左目は、神々の魔法によって封印されるが、もはや神界に戻ることは出来ず、神格も失い妖怪とされてしまう。
このことに絶望した彼女は、自らの死を望むが、彼女に魂が背負っている非常に重い罪のため、ヘルヘイムのヘルにヘルヘイムに来ることを拒絶される。
その後、九つの世界をそれぞれ彷徨った後に、彼女は“ミーミルの泉”にたどり着く。(九つの世界における放浪については省略します)
もはや、自分の居場所は、この世界には無いのだと悟った彼女は、“ミーミルの泉”に身を投げる。
すると、泉の水は干上がり、左目の封印が解けて、彼女は、知識を渇望し世界を食らう怪物に変貌してしまう。
このことを知ったオーディンは、泉の主であったミーミルに相談する。
すると、ミーミルは、「オーディンの持つグンニグルによりディナルメルトの心臓を貫くことによって世界は救われる」と答える。
しかし、そのためには、創造の象徴である主神・オーディンの心臓の血によってグンニグルを染める必要があると言う。
このことを聞いたオーディンは、神槍・グンニグルで自らの心臓を貫き、ロキに、このグンニグルを使ってディナルメルトの救済を頼むと、絶命する。
ロキは、グンニグルによってディナルメルトの胸を貫き、自らもグンニグルの炎によって焼け死ぬ。。
この炎は、世界樹(ユグドラシル)を伝い、全て世界を包み込む。そして、あらゆるものは、この炎により燃やし尽くされてしまう。
そして、世界は大いなる混沌となりひとつとなり、新しい生命の揺りかごとなった。
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