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っぽい第八弾_ラスボス_REDMOON_SS

Last-modified: 2009-08-22 (土) 10:05:04 (3561d)

SS本文

僕○第26回


Stage6 偽りの神 宴の終わり


 戦いが終わり、祭も最高潮となり、幾重もの花火が打ち上げられる最中、霊夢たちは四界神社の上空にいた。
「花火が綺麗ですね。それで、霊夢さんは何か気になる事があるんですか?」
「ん、そうね。違和感……かしら? まだ、終わってないような気がするのよ」
「違和感ですか?」
 早苗は辺りを見渡す。見えるのは打ち上がる花火、聞こえるのは祭の熱狂。特に不思議なものはない。あえて気になるというならば、花火の音はこんなにも遅かっただろうか?
「気付いたようね。周囲の物事と、音が一致しない個所がちらほらあるわ。そして、私はそこに何かあると思う」
「では向かいましょうか。霊夢さんの勘の良さはこれまでで十分に見させていただきましたから、信用してますよ」
「ありがとう。じゃあ、行くわよ」
 霊夢たちは花火の打ち上がる空を飛翔した。しばらく進んでいると、突然無数の妖精がどこからともなく表れ、襲いかかって来た。
「どうやら当たりの様ね。一気に蹴散らすわ!」
「はい!」
 二人は迫りくる妖精達をお札や陰陽玉でき散らしながらどんどん進んでいく。
「ん?」
 妖精を倒しながら進む最中、ふと違和感を感じた霊夢は後ろを振り返ったが、そこには何もなかった。
「霊夢さん? どうかしたんですか?」
「いえ、何でもないわ。それよりも、向こうの方が騒がしいわね」
「向こうですか?」
 早苗は霊夢の指した方向を見る。そこでは、激しい弾幕同士の応酬が行われているかのような大小様々な爆発が起こっていた。
「すでに誰かが戦いを始めていたみたいね。とにかく行くわよ」
「そうですね。それにしても、いったいどんな戦いが起こっているのでしょうか? ここからだとよくわかりませんね」
「それを知るためにも向こうに行くのよ。にしてもこの感じ――まさかね」
 霊夢は身に覚えのある――しかし、それをさらに精錬したかのような感覚にとあるものを予想したが、すぐに頭を振った。彼女がここにいるはずはないからである。
「紅符『スカーレットシュート』」
 しかし、霊夢の否定もむなしく、予想は当たっていたことを知る。聞き覚えのある声、見覚えのあるスペル、夜空に鎮座する紅い月と紅い魔力、そして、永遠に紅く幼い月と呼ばれるその姿。レミリア・スカーレットがそこに立っていたことによって。
「ど、どうしてレミリアがここに……?」
 霊夢の問いにレミリアは何も答えない。だが、代わりに答える声があった。先ほどのスカーレットシュートを何とか防いだパチュリーだった。
「何故ここにいるのかはこっちにもわかってないわ。ただ、ここにいるレミィは今は敵だってことだけ覚えていれば十分よ。小悪魔! まだいけるわね!?」
「はい! まだ、何とか動けます!」
「そう。じゃあ、いったん下がって、紅白に戦闘開始からの事を説明しなさい!」
「わかりました! すみませんパチュリー様。不甲斐ないばかりに」
「気にしないでいいわよ。火金符『セントエルモピラー』!」
 パチュリーとレミリアがスペカでの応戦を始めると同時に、小悪魔が霊夢たちの下に来る。
「それで? これは一体どういうことなのかしら?」
「パチュリー様が言うには、これは地霊殿の主と同系のスペルではないかと、直前にスペカの発動は確認したので。一応はこんな感じでした」
 小悪魔は、色々と思いだしながら、先ほどの戦闘を思い返し話す。


「これほどまでの妖精群に守らせるとは、やはりまだ終わってなかったのね」
「みたいですね」
「代演『ロールプレイング・ゲーム』」
「「!?」」
 突然のスペルの宣言に、二人は咄嗟に防御に集中する。そして、攻撃ではないことが分かり、周囲を見渡すと、そこには紅い月と、レミリア・スカーレットが立っていた。
「レミィ? どうしてここに? それに紅い月はまだ――!?」
 パチュリーは見た。レミリアを包む紅い魔力の桁が違うことに。
(これはまるであの時の――)
「こんなにも月が紅いから、こんなにも夜が紅いなら、こんなにも世界が紅いのだったら」
「レミィ……貴女、まさか……」
「パチュリー様!? どうしたんですか!?」
 小悪魔は必死にパチュリーを揺さぶるが、パチュリーは茫然とした様子で何かを呟きながらレミリアを見ているだけである。そして、レミリアは言の葉を紡ぎ終える。
「血よりも紅く朱き赤い世界を滅ぼし、無に帰してあげるわ。ねぇ、パチェ」
「そう。やっぱりあの時のレミィなのね。あのときは私も認めたけれど、今回は止めるわ。悪く思わないでね」
「そう。パチェは敵対するのね。いいわ。誰が夜の王か、今一度思い知らせてあげるわ」
 次の瞬間、両者の放った弾幕が互いにぶつかり合い、膨大な量の――それこそ、それだけで並の妖怪ならば倒せるほどの――余波が小悪魔の全身を打った。
「いたたたた。余波でこの威力って何ですか!?」
「小悪魔は下がってなさい! 火符『アグニシャイン』」
「その程度? それならこれで十分よ。デーモンロードアロー」
 パチュリーの放ったスペルを、レミリアは数本の赤い矢で全てを打ち払い、さらにパチュリーを襲った。防御結界は無残にも突き崩され爆散し、パチュリーは被弾した。
「パチュリー様―――!!」
「聞こえているし無事よ。レミィにはどうしてもこれを当てる必要があったから、準備が必要だったのよ。日符『ロイヤルフレア』」
 爆煙が晴れたそこには、すでに極大の太陽を模した魔力塊が出来上がっていた。後は、それを放つだけだったが、それよりも先に紅い鎖が魔力塊に絡みつき――そして砕いた。
「運命『ミゼラブルフェイト』。それを私が気付かないと思ったのかしら?」
「そうね。でも、防ぐために一瞬を使ったわね。金木符『エレメンタルハーべスター』」
 パチュリーは鎖の合間を抜けレミリアに接近し、幾重もの歯車の刃でレミリアを事細かに裁断した。しかし、肉片と血は蝙蝠となり、すぐさま集まって元の姿を取り戻す。
「無駄よ。いくら裁断したとしても、その程度じゃ吸血鬼は倒せないのはパチェもよく知ってるでしょう? 紅符『スカーレットシュート』」
 レミリアの手から放たれた赤い紅弾が防御壁ごとパチュリーを薙ぎ払った。


「って、ところで二人が来たんですよ」
「……なるほどね。先ほどの違和感、それらを総合して考えるに、あれは幻影ね」
「幻影ですか? でも、普通に打ち落としてましたよね」
「そうね。そういう言い方では、幻影は間違いね。でも、それ自体を創り出すのとは少し違う。つまりは、触れられる影のようなもの。能力も使用でき、されど倒されればすぐに消える。まだ完全にはわかってない分厄介ね」
「幻影でいいわよ」
 霊夢の言葉に答えたのは何とレミリアだった。その横ではパチュリーが倒れている。
「あら? 自分から答えていいの?」
「少なくとも、ここで私が本物だなんて考えているのはいないでしょう? でも、私も、この紅い月も、力をもって認識されている。そこに本物かどうかなんて、些細で無粋な疑問なんていらないわ」
 レミリアはそう言って、パチュリーを小悪魔の方に投げて渡す。そして霊夢の方を見る。
「霊夢たちも、このまま帰るのだったら危害は加えないわよ」
「なるほどね。つまりは奥に何かあると」
「霊夢。蛮勇は死を招くわよ」
「パチュリーも何かあると思ったからここに来たんでしょう。私も何かあると思ったからここに来た。そして、あんたがここを塞いでる。紆余曲折はあったものの、ここが本命――いえ、あんたが本命だったのね! 正体を現しなさい!!」
 霊夢はレミリアに向かってお札を放つ。レミリアは咄嗟に防ぐが、お札の効果によって、レミリアの幻影が剥がされ、黒のワンピースを着た一人の少女が姿を現した。
「よく気付きましたね。気付かなければ楽に済ましてあげたものを」
「何よこれ? 付喪神にしては持ってる力が半端じゃないわ」
「はい。普通の付喪神とは思えないぐらいの信仰をされているようですね」
「やっぱり何か隠してるわね」
「さて、ここまで来られた以上、最早問答は無用です。私の名は璃祭眩識。その名を胸に散りなさい」
 眩識の言と同時に、無数の妖精が現れる。
「触れれて能力も使える幻影。確かにそれはもう、本物と偽物の区切りを探すのも面倒ね!」
「霊夢さん! 落しても落としてもきりがありません!」
「だったら、狙うのは本体ね。何かいい方法はないかしら?」
「それでしたら、いいのがありますよ。ちょっと準備に待って下さい」
 そう言って、準備を始めた早苗の姿を見て眩識は呆れたように言う。
「そんな隙を見逃すと思うな。幻影『ファンタズマゴリア・オブ・ゴースト』」
 虚空から無数の妖精達が現れ、霊夢たちに向かって突っ込んでいく。
「また? どうせ幻影なんでしょ?」
 霊夢はそう嘆息しながら妖精に向かってお札を投擲する。お札は狙い違わずに妖精にぶつかり――四散して周囲に弾幕をばら撒いた。
「な――、何よこれ!」
「さっきの洞察力と館はどうした。これもただの幻影だぞ。衝撃で弾幕を張る弾に妖精の幻影を張っただけのな」
「……と、いうことは」
 一個の目の起爆から連鎖して、残りの弾も起爆し、霊夢たちの眼前を圧倒的なまでの弾幕が覆い尽くしていた。
「さて、これほどまでの弾幕をどう防ぐ?」
「霊夢さん! 準備ができました! 開海『海が割れる日』!」
「む? 何をする気――なん、だと!?」
 眩識は目の前の光景に驚愕した。霊夢たちを襲っていた弾幕と、自身を守るように配置していた幻影の妖精たちが、まるで二人の道を開くかのように左右に分かれたのである。
 そして、驚愕している隙に、二人は開いた道を駆け抜けてくる。
「くっ! させるか! 異識『無限燈篭』!!」
 速度差のある苦無をばら撒き、その間隙をレーザーで補う。霊夢は、その様子を見て、早苗に指示を送る。
「この感覚……、そういうことね。止めをいくわ。力を貸しなさい」
「はい! わかりました!」
 霊夢と早苗は横一列に並び、同時に符を取り出し宣言する。
「「霊符『夢想封印 風』!!」」
 二人から放たれた無数の霊力塊は苦無弾を薙ぎ払いながら眩識に迫り――、突如吹いた神風によって軌道を変え、眩識の後方の何もない空間に全弾突き刺さった。
「な……、なぜ私がここにいるとわかった?」
 何もない空間から眩識の姿が現れ、前方にあった眩識の幻影は音もなく砕け散った。
「幻影の相手をするのは飽きたのよ。まぁ、控え目に言えば勘かしら?」
「ふっ。博麗の巫女とは恐ろしいものだな」
「さて、それじゃあここで何をしようとしてたのか聞かせてもらおうかしら?」
「そうですね。今度こそこれで異変解決のはずですし」
 二人の言葉に眩識は首をかしげた。そして逆に問い返した。
「待って、何の話ですか?」
「何って、神隠しとかのことよね?」
「はい。でも、そういえばそこら辺は前に戦った人がやったって言ってませんでしたっけ?」
「じゃあ、これは何してたのよ?」
「さぁ?」
「…………」
 二人の会話をさらに聞くと、眩識はさらに頭を抱えたくなった。
「それは……、つまりあれですか? ただの勘でここまで突っ込んできて、それを私が敵だと勘違いしただけだと」
「なんかそういわれると、私達が迷惑を被ったみたいにも聞こえますね」
「そうね。じゃあ、ついでにこっちからもタダ酒貰っとこうかしら?」
 二人の勝手な物言いに、眩識は怒髪天を衝き、
「迷惑を被ったのは――こっちです!!」
 二人の頭を殴ってから、対話による解決を用いることにした。
 とりあえず、もう祭は始まったので、後は放っておけば元に戻るとの話だったので、霊夢たちは一通り祭りを楽しんだ後、慧音に異変解決の報告に向かうことにした。


all stage clear.

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