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っぽい第六弾_四面ボス_REDMOON_SS

Last-modified: 2009-08-20 (木) 17:31:31 (3561d)

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僕○第24回


Stage4 荒ぶる神の輿


 出店の出揃った参道を霊夢と早苗は割と寄り道しながら進んでいた。
「霊夢さん霊夢さん。射的ですよ。ちょっとやって行きませんか?」
「家はそんな余裕はないわよ。だから、タダ酒の為に異変解決に来たんでしょうが」
「でも、少しぐらいでしたら大丈夫ですよね? 私は一応お金を持ってますし」
霊夢はついに根負けし、「仕方ないわね」と言い、早苗についていく。射的の屋台では、気のいい妖怪が「一回200で弾が8つだよ」と早苗に勧めている。
「それでは……いきます!」
早苗は狙いを定め、次々と景品を落としていく。霊夢がちょっと目を離して振り向いたときには、早苗の手には沢山のぬいぐるみがかかえられていた。
「見てください霊夢さん! 大漁ですよ!」
喜ぶ早苗とは対照的に、霊夢は頭を抱えながら言った。
「それで? そんな大荷物持ってどうやって戦闘するのよ?」
「あっ」
「あっ。じゃないわよ。全く、一応異変解決の為に来たってことを――」
「ん? 見ない客だな? 一杯やるかい? 勿論サービスだ」
「貰うわ!」
 霊夢は早苗への説教を半ばに、差し出されたお酒を一気に呷った。その様子に周囲の妖怪が盛り上がる。
「おお! 言い飲みっぷりだねぇ。気に入った! もっと飲みねぇ!!」
 そう言って、さらに霊夢にお酒を渡す。霊夢がそれをまた一気に呷ると、「おおぉーー!!」と歓声が上がる。早苗もいつの間にか他の屋台を見に行ってたので、誰にも止められることなく、霊夢は酒を飲み続けていた。
 程よく酔いが回り、異変の事も忘れそうになったその時、二つの神輿がぶつかり合いながらこっちに来ているのが見えた。
「ん? あの神輿は何?」
「あれ? あの神輿は何ですか?」
 早苗も気になったのか、出店巡りから戻ってくる。
「ああ、あれは喧嘩神輿さ。この祭りの見ものさ。ただ、ちょっと派手で周囲を巻き込むから、少し離れた方がいいぜ」
 屋台の妖怪がそう言ったと同時に、押し負けた神輿が霊夢たちの方に突っ込んできて――酒瓶を砕いた。
「霊夢さん!? 大丈夫ですか!?」
「…………」
 早苗の声に霊夢は何も答えなかった。屋台の妖怪も何か言っているようだったが、今の霊夢の目には砕けた酒瓶しか映ってなかった。だが、その瞳もすぐに無機質なものに変わる。
「あの? 霊夢さん?」
「さて、そろそろ行くわよ」
「は、はい!!」
 恐ろしいほどまでに静かな、冷たい言葉に、早苗は首を縦に振る事しか出来なかった。
 そこからの出来事は一瞬だった。
 神輿同士がぶつかり合って、互いに距離を取ったその瞬間に、霊夢は両神輿の間に飛翔し、再び突っ込んでくる神輿に対し、陰陽玉を叩きこみ、空いた風穴にエクスターミネーションを接合部に向かって乱射した。
「次行くわよ」
「は、はい!」
 霊夢に連れられたまま進みつつ、後ろを見た早苗の目には、見るも無残な神輿の残骸が二つより添うように並んでいた。
 それから先、進むたびに姿を現す神輿を、霊夢は情け容赦なく、冷酷に、残忍に、ただただ破壊して進んでいった。
 しばらく無実な神輿たちを惨殺していると、一際大きな神輿が聳え立った。全長約6メール。全高約2メートル。対艦砲を4門搭載し、対空機銃すら完備する。外観の基本こそ神輿だが、もはや神輿以外の何かがそこには聳え立っていた。
「あれが大本ね。いくわよ」
「はい。後衛は任せてください!」
 霊夢が陰陽玉と針で本体を攻撃し、早苗が周囲で担いでいる妖精を攻撃したり、お札で対空機銃を防いだりする。対艦砲は、威力こそ高いものの、不意をつかれない限り、かする事すらなかった。
「なんだか、随分と容易いですね。これなら一気に行けそうですよ」
「そうね……でも、」
 そろそろ、頭の冷えてきた霊夢は眼前にある巨大神輿に一抹の不安を感じる。この神輿が何かしてくるような気がするのだ。そう、何かとんでもないことを、
「神事『御霊送りの神事』」
 その時だった。神輿がスペルカードを使ってきたのだ。周囲から魂が沢山神輿に向かって集まっていく。その度に、神輿の中で何かが脈動し、力を高めていくのがわかる。だが、上がり方が半端じゃない。このままでは神輿自体が力に耐えきれずに爆発しそうだった。
「……って、急いで叩くわよ!! このままだとあの神輿――爆発するわ!! 夢符『封魔陣』!」
「はい! では、秘術『グレイソーマタージ』」
 霊夢は咄嗟に神輿を包む結界を張り、これ以上魂を取り込めないようにする。早苗は、奇跡を起こすための準備を始める。だが、その準備自体が弾幕となり、神輿を襲い、砕く。
「後一息ね。だったら! この渾身の陰陽玉を――喰らえ――!!」
 神輿に向かって陰陽玉をぶち込む。陰陽玉は神輿にめり込み、神輿を爆発四散させた。爆風は封魔陣によって削られ、空高くに光の華を咲かせた。
「ふぅ、厄介な相手だったけれど散り際は綺麗ね」
「そうですね。ところであれってなんだったんでしょう? 神輿の妖怪ですか?」
「超々ド級駆逐神輿MI☆KO☆SIはただの神輿。そして私がそれを統括する神輿妖怪鳳輦永沙だ」
「「!?」」
 二人が驚き振り返ると、潰れた神輿の破片の上に法被を着た女性が立っていた。
「ここらで神輿を破壊して回っていたのはお前たちか。それに我が超々ド級駆逐神輿MI☆KO☆SIをも破壊するとはな。最早許し難き! お前達の死をもって超々ド級駆逐神輿MI☆KO☆SIの弔いとしてくれる!」
「いちいち名前が長いのよ! うっとおしい! 往くわよ!」
「はい!」
 だが、霊夢も早苗もすぐに攻撃に打って出るわけではなかった。神輿妖怪とは言う全く異質の未知数の相手、どのような手で来られるかわからなかったため、まずは様子見しようと考えたのである。
「ふん。来ないのなら私から往こう。争符『暴れ神輿』」
 永沙の後ろにいつの間にか積まれていた神輿の残骸が、瞬く間に修繕され蘇り、霊夢たちに向かって突っ込んでくる。
「はぁ!? 何よそれ!?」
 霊夢は陰陽玉で、早苗は奇跡で迫りくる神輿を倒していくが、倒しても倒しても修繕され、絶え間なく襲ってくる。
「まだまだ終わらん。祭はこれからだ、楽しめ。祭符『神輿でわっしょい!』」
「次は何よ!」
 霊夢たちが嘆息をつくと、今度は周囲から神輿が、「えっさ、ほいさ」や「わっしょい、わっしょい」やら、「もーめもーめ、さーせさーせ」などの掛け声を交えながら、互いにぶつかり合う。そして、ぶつかり合った際に砕けた破片が弾幕となり霊夢たちを襲う。
「どうだ? 祭を楽しむとよい」
 永沙の言葉に、霊夢は早苗を手招きする。
「あ、はい。何ですか?」
「面倒だから一掃するわよ。力を貸しなさい」
「わかりました。では――」
 早苗は霊夢の後ろに立ち、霊力を霊夢に送る。霊夢はその霊力を全て陰陽玉に込め、放つ。
「纏めて潰れなさい! 奇跡『ミラクル陰陽玉』!!」
 極限を越えて霊力を込められた陰陽玉は直径9メートルを超え、縦横無尽に跳ねまわり、周囲に遭った神輿を根こそぎ叩き潰し、永差も叩き潰した。
「さて、気付けば怪しい神社が目の前ね」
「さすが霊夢さんです! 闇雲に進んでるように見えて、その実は異変解決の為にちゃんと動いていたんですね!」
「ん? えぇと……まぁ、そんな感じでいいわ」
 何か色々あったが、霊夢たちは目の前にある如何にもな神社へと進んでいくのであった。
go to next stage.

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