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ディザピア・パペッティア_SS

Last-modified: 2010-05-01 (土) 23:24:10 (3515d)

SS本文

僕○第74回


 あらすじ――調整失敗して暴走しつつどっかに言ってしまった新型人形に一抹の不安を感じたアリスは魔理沙を紅魔館の図書館に呼びつけたのであった。




「それで? 急に呼び出して一体どうしたんだ?」
「そうね。わざわざここに呼び出したという事は私にも何か用があるのかしら?」
「ええ。ちょっと失敗やらかしたからパチュリーには助言が欲しかったのよ。内容は――」
 アリスが口を開くと同時、アリスの背後に控えていた人形がアリスを庇うかのように一歩前に出る。大きさはアリスの普段使う人形に比べるとやや大きめ、衣装はごく普通のエプロンドレスを身に纏っている。ただ、その瞳はまるで視線で射殺さんとばかりの眼光を以て魔理沙を睨んでいる。
「ん? なんだその人形は? 始めて見る奴だな」
「うん。それで件の人形がこれなんだけど――」
 アリスは問題の人形――ディザピア・パペッティアについて語り出す。
元々の製作理由。製作時に突如起きた回路の異常なまでの活性化。当初の予想を大きく超えた隠密特性ゆえにアリス自身にも認識が困難である点を告げたところで魔理沙が頷く。
「なるほどな。それでさっきから私の方を見ているわけだ。だが……? 私の目には普通に見えてるんだが?」
「私も魔理沙と同じ疑問ね。それとも……まだ何かあるの?」
 パチュリーの言葉にアリスが頷こうとしたその瞬間。ディザピア・パペッティアの姿がぶれ始め……消える。
「!! 来たっ!! 魔理沙伏せてっ!!」
 アリスの声に反応し魔理沙は咄嗟に身を落とす。
 ドゥン ドゥン!!
 先ほどまで魔理沙がいた位置を通過し、図書館の床に風穴があく。
「おいおいアリス。これがお前の言う低火力か? と言うか今のは殺傷能力がこもってなかったか?」
「あれの現状命令が「魔理沙に対する攻撃」なのよ。弾幕ごっこの定義が入ってないから、そういった配慮がまだないの。だから、下手な事になる前に何とかしようと貴女達に頼みに来たのよ」
「それだったら姿出してる間に捕縛なりなんなりすればよかっただけじゃない。なんだか貴方今日は様子がおかしいわよ?」
 すると、まるでパチュリーの言葉に反応したがごとく、ディザピア・パペッティアの姿が再び現れる。
「へっ! 姿が見えればこっちのもんだぜ! 魔符『スターダストレヴァリエ』!!」
「魔理沙!? それは――!」
 アリスの制止の声も間に合わず、魔理沙は愛用に箒に跨り、爆発的な魔力の噴出による加速を以てディザピア・パペッティアに突っ込み――その身体を通り抜けて直線上の本棚に全力でぶつかった。
「ぐはっ。い、一体どうなってるんだ?」
「今見えてるのはディザピア・パペッティアの虚影なのよ」
「……つまりさっきのアリスの言葉と合わせると……真坂本体は常に?」
「ええ。唯一の救いとしては、本体が来るとこの虚影の姿が消えることだけど……」
「ど、どういうことなんだ?」
「さっきの続きになるんだけど――」
 アリスはディザピア・パペッティアについて再び語る。常道起動の隠密機能。何故が覆せない命令。恐らくさっき使ったのは河童の発明品などなど大まかな説明を終える。
「と、言うことなの。何かいい案ないかしら?」
「そうね。わざわざここを戦闘の舞台にした事について色々言いたい事はあるけれど、問題はあの隠密特性よね。さっきはどの探査術式にも引っかからなかったし」
「一応だけど、あの子は姿を消すのがメインだから、消音は得意としてないと思うわ。現にさっきの攻撃も音を出していたわけだし」
「となると作戦はこうね。魔理沙、今回の作戦の肝は貴女だからヘマはしないでね」
「わかってるぜ! 虚仮にされたまま黙ってる魔理沙さんじゃあないぜ!」
「それじゃあ配置につくわよ」
 魔理沙たちはそれぞれの配置につき、ディザピア・パペッティアの襲来を待ち始めた。






(…………何故だ)
 戦場から一時撤退を計りつつある私は疑問を抱いていた。
(なぜ、マスターが襲撃対象を庇った?)
 あの時私は確実に襲撃対象である霧雨魔理沙を撃ち抜けたはずだった。だが、それはあろうことかマスターによって阻まれたのだ。マスターの言葉がなければ確かに…………否。マスターが間違いを起こすはずがない。何か意図があったのだろう。
(ならば私は作戦を続けるのみ)
 私は敢えて迂回し、図書館の窓から侵入する。対象も馬鹿ではない。恐らく既にこちら側の大まかな予想を終え、警戒している事だろう。ならば、正攻法で攻める道理はない。元よりこの身は奇襲用。マスターの与えた役を以て命を果たすのみ。
(…………む? 成程……姑息な)
 どうやら対象はこちらの弱点にすら勘付いているようだ。私の隠密特性には唯一の欠陥がある。それは消音機能の欠如だ。気付かれずに絶対回避不可の距離まで近づくのは不可能だろう。そして、一度攻撃を行えばこちらの位置の大凡が掴まれる。サイレンサー付きの銃こそあるものの、私自身と違い熱放出まで誤魔化すのは至難の業だ。成程よく考えている。
(……だが甘い。私がその程度……考えなかったと思うか!)
 私は隠密起動を維持したまま図書館を移動する。対象は既に色めき立っている。私の虚影が消えたのだろう。あれもある種私の欠陥と言ってもいいかもしれぬが、あれ失くしてマスターに私の存在を知覚しえぬのであれば、あれは必要なものだったのであろう。さておき私はセントリー・ガンを2か所設置し、対象を狙える狙撃ポイントに移動。そして……手榴弾を2個投擲する。
 カラン コロン
 スコープ越しに対象の反応が映る。だが、対象は動けない。これが私の陽動化、本命かがわからないからだ。
3つ数えると同時に手榴弾が炸裂する。これには流石に耐えられなかったのか、対象が動く。だが、予め逃げると思わしき場所に設置していたセントリー・ガンが起動し射撃を行う。
そして、私が望んだ通りに、対象はそこに私がいると思い魔法を放つ。私の待ち望んだ一瞬だった。魔法発動と存在すると思われている私に対する集中で他への意識が疎かになっている。その頭へ、私はライフルの照準を合わせ、引き金を引いた。
ドゥキュゥン ガキィン!!
(なっ!? 何が防いだ!? いや、それよりも早くこの場を――)
 離れようと思った時にはすでに吹き飛ばされていた。そこは対象がいる場所だった。そして私はそれを知る。
(光を透過させ……熱排出を外部に合わし……魔力放出を抑える。これは……私の……!! 何故ですかっ!? マスターーー!!?)
 私はそのまま……意識を落とした。






「ふぅ。何とかなったわね」
 アリスは煙を上げている(煙は見える)ディザピア・パペッティアを拾い上げ溜め息を吐いた。
「にしてもパチュリー、よくあんなのあったわね。まぁ、おかげで何とかなったわけだけど」
「そうね。どこぞの毎度毎度迷惑かける白黒鼠を嵌める為にかしら」
「……ふ、二人とも……今後は善処するからそう言ったのは勘弁してほしいんだぜ……」
 どこか怯える様子をしたまま魔理沙はそういう。それを聞いた二人は軽く笑い合う。
「まぁ、私もこれは何とかするし、これ以上どうしようなんて思わないわよ。第一今回は私の失態だしね」
「私もね。これ見た目以上に魔力消費が掛るのよ。まぁ、それにかかる労力以上の被害を受ければやぶさかじゃないけど」
「……善処するぜ」
「ま、冗談だけどね。それよりアリス。それどうするの? 処分するようだったら色々興味があるから欲しいんだけれど」
「出来る限り何とかしてみるわ。それに、自分が使った人形はちゃんと自分で供養しないといけないから。悪いわね」
「別にいいわよ。それよりもここの掃除くらいは手伝ってもらうわよ?」
「わかってるわよ。せめてそのぐらいはしないとね」
「私もするのか?」
「魔理沙はいいのよ? 帰って持って行った本を全部持ってくるって言うなら」
「……手伝うぜ」
「いや、返しなさいよ」
 かくして、消失人形ディザピア・パペッティアの脅威を何とか乗り越えた。だが、本当の戦いはこれからだっ!


……誰か落ちの付け方教えてください。何だこの終わり方……

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