Top > メルティ・アムネジア_SS

メルティ・アムネジア_SS

Last-modified: 2009-09-29 (火) 10:02:59 (3730d)

SS本文 Edit

僕○第35回


「隊長〜! こんなのありましたけど隊長は参加するんですか?」
「ん? なによこれ? 「メイド長代理決定戦」? メイド長の代理なんて出来るのなんかいるわけないじゃない」
 私は半ば呆れた様子でチラシを見た。諸事情でしばらくいなくなるメイド長の代わりを決めるメイド大バトルを行う旨が記載されている。
「そうですけどそうじゃないらしいですよ? 別に完全にメイド長の仕事をこなす必要はないみたいです。ただ、しばらくの間メイドを統括する必要があるだけだとか」
「ああ、そういうこと。そうね……私がメイド長の代理なんて務まるとは思えないけれど」
 私は思い返す。最近増えてきた命令を効かない部下達のことを。ここで一発、誰の下で働いているのかを理解させるために参加してみるのもいいかと思った。
「まぁ、一応参加してみようかしら」
「頑張ってください隊長! 私達は隊長の応援に努めさせていただきます!!」
「やれるだけやって見るわよ」
 私はそのまま部下と別れ、参加受付まで行くことにした。




「あら? メリクリアーネじゃない。こんな所で何してるの?」
「メルティか。私はメイド長代理決定戦の受け付けに来ただけだが……、そっちもみたいだな」
 そう言った彼女の名はメリクリアーネ・デューリング。外勤メイドで自身の魔力で生み出した四本の魔剣「ビグヴィグ」を駈り操る妖怪である。本性は黒き獣だと言っていたが、詳しいことはよくは知らない。私の良き友人であり、よく相談相手になってもらったりもする。
「そうね。ということはぶつかり合う可能性もあるわけね。その時は容赦しないわよ」
「当然だ。手加減などしたときには、貴様の身体をビグヴィグで貫き、塀の上で速贄にしてやる」
「はいはいわかったわよ。それよりも、他の参加者の当りはないの?」
「そうだな。確か司書が出ると言っていた記憶があるな」
「司書? なんで司書がメイド長代理戦に出るのよ……って、まさか小悪魔が出るの?」
「ああ。何故華メイド服を着ていた司書が参加受付にいたと思うが」
「ここ最近確かに小悪魔が増えてたからねぇ。門番にもいたし、一体ぐらいメイドになっててもおかしくはないか。……おかしいけれど」
 私は溜息を吐く。最早、どんなのが参加してても驚かない自信が出来たわ。とりあえずは参加受付ね。
「はい。ここはメイド長代理決定戦参加受付となっております。ご参加ですか?」
「ええ。洗濯部隊長メルティ・アムネジアよ」
「紅魔外勤所属メイド。メリクリアーネ・ディーリングだ」
「はい、承りました。メルティ様とメリクリアーネ様ですね。すみませんが、当初予定していた定員を遥かに超える参加希望が出たため、抽選という形で規定人数までの振るい落しをすることとなっております。そのため、参加できずになる可能性があるということをご了承ください」
「いいわ。どうせ普通のメイドとかも軒並み参加してるだけでしょうし、無理だったら無理だったらで別の手段を講じるだけよ」
「こちらとしては、是が非でも参加はしたいものだが、まぁ、運否天賦に身を任せるとするか」
「そうね。それじゃ、私は戻るわ。まだ一応の仕事は残ってるし」
「うむ。舞台で相見えることを期待しているぞ」
 私はメリクリアーネの言葉に笑って返しながら職場に戻った。


 そして翌日。私の机の上にあったのは一枚の封筒。表には「メイド長代理決定戦要項」の文字。そう。私の戦いはここから始まったのである。

コメント欄 Edit


URL B I U SIZE Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White