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第9回SS部門_ハッシー

Last-modified: 2009-06-14 (日) 19:53:42 (5435d)

SS本文

キャラ設定
綾川すみ(第3回河童・ゐなばさん投稿) 引っ込み思案・少々転じて交流を極力避け、受け答えにも素っ気なさが滲む。
なんで自分なんかに毎日のように会いに来るのか、わざわざ関わろうとするのか、かなり疑問に思っている。
名称不明(第1回小悪魔・神音天さん投稿) 秘かにすみの事を好いている。明るくて心配りが良い。
困ったり悩んだりしている人を放っておけない。実はとてもシャイで本当の気持ちを言い出せない。




















「すみちゃーん、あーそぼー!」
いつものように、呼びかける声。
「……今、忙しい……」
いつものように、つれない返事。
「そんなの後回し後回しっ!」
そんな返事は慣れっこだから、私は気にせず言い続ける。
「班長に、急いで直して欲しいって、頼まれてる……」
しめた、語調が弱くなった。ここぞと押し切りにかかる。
「じゃあ早く直して遊びに行こう!」
「……ん」
心の中で、私は一人快哉を上げた。






「さっきは何直してたの?」
「天狗様の、カメラ」
少しでも沢山話をしたくて、私は必死に話題を探す。受け答えは素っ気ないけど、これでも進歩した方だ。
今も殆どこっちを見てはくれないけれど、私の言葉に答えを返してくれるんだから。
「そう言えば前からずっと気になってたんだけど、そのペンダント――」
「ねぇ」
私の言葉を遮るすみちゃん。初めての出来事に私は驚く。
「ん、なぁに?」
「どうしてあなたは、私の事をそんなに気にするの?」
「えー……と……」
すみちゃんの事が好きだから、って言いたいけれど、恥ずかしくてとても言い出せない。
答えに困っていると、すみちゃんがまた聞いて来た。
「……私が、可哀想だから?」
「ぇ……」
私はまたもやビックリして、すみちゃんの顔をじっと見た。
「私が一人でいるから、可哀想だと思ったから、だから……?」
「ちっ、違うよ! そんなんじゃないよ!」
確かに、最初の頃はすみちゃんの言う通りだった。いつも一人ぼっちで、きっと寂しいだろうなと思ったから、友達になってあげよう。そんな事を考えていた。
でも、今は……!
「じゃあ、どうして? どうして毎日私の所へ来るの?」
「それは……そのぉ……」
どうにか言いだそうとするがやっぱり、言えない。
恥ずかしい。怖い。そうやってまごついている内に、すみちゃんは踵を返した。
「すみちゃ――」
「私は」
言いかける私に、一言。
「可哀想じゃ、無い」
歩き去るすみちゃんを、私はただ黙って見送る事しか、出来なかった。




















と言うわけで綾川すみちゃんとカミネこぁ(仮名)の絡みSSでした。
「友達いなさそうだから」とすみちゃんを気にかけている内に、いつの間にか好きになっちゃってた、そんな片想いのお話。
文字数的に、完結は難しそうなのでこういう形にしました。アフターストーリーは皆さんの心の中に。
褒めでも貶しでもいいんで、感想を頂けると嬉しいですー。






本文:800文字
キャラ設定:200文字
あとがき(上記以外の文字数):200文字

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